台風・豪雨に備える!中小企業向けタイムライン(防災行動計画)作成ガイド

台風・豪雨に備える!中小企業向けタイムライン作成ガイド
目次

タイムラインとは何か?基礎から解説

タイムラインとは、台風などのあらかじめ発生が予測できる災害を対象として、企業が事前に取るべき行動や、災害発生時の具体的な対応を時系列で整理した計画のことです。国土交通省が「国」「地方公共団体」「住民」を対象に策定しているタイムラインが代表的ですが、企業においても、自社のリスクを最小限に抑え、従業員の安全を確保するために独自のタイムラインを策定することが重要です。

タイムライン作成の第一歩

タイムラインの作成において、最初に行うべきは必要な情報の収集と分析です。具体的には、ハザードマップを用いたリスクの把握です。地域の防災情報を収集し、事業所における浸水害や土砂災害のリスクを把握します。また、従業員の方にもハザードマップを用いて自宅や通勤経路におけるリスクを確認してもらうことで防災意識を高めることが期待できます。また、気象庁や自治体が提供する最新の情報を常に把握し、必要に応じてタイムラインに反映させることも重要です。

タイムラインの作成手順

タイムライン作成の手順は以下のステップに沿って進めます。

  1. 目的の明確化:何のためにタイムラインを作成するのか、その目的を明確にします。事業継続、従業員の安全確保、設備の保護など、目的に応じた具体的な目標を設定します。
  2. リスク把握:自社が直面する風水害リスクを把握し、その影響範囲を特定します。
  3. 行動計画の策定:リスクに応じた行動計画を具体的に策定します。この際、各部署や従業員がどのような役割を担うのかも明確にしておきます。
  4. スケジュールの設定:各行動がいつ、どのタイミングで実行されるべきか、時系列で整理します。
  5. 情報共有と訓練:作成したタイムラインを全社に共有し、実際の災害時に円滑に機能するよう、定期的な訓練を行います。

警戒レベルごとの行動計画

タイムラインを作成する際、警戒レベルごとの行動計画を設定することが重要です。警戒レベルは1から5まであり、それぞれの段階で取るべき行動が異なります。警戒レベル情報は「Yahoo!防災速報」などを活用して取得してください。

Yahoo!防災速報

  • 出水期前:台風シーズンや豪雨シーズンに入る前に事前準備を行います。ハザードマップによるリスクの把握、避難場所・経路の確認、必要な備蓄品の確認、緊急連絡網の確認・更新、従業員への周知を行います。
  • 台風接近:台風が接近した場合、最新の気象情報を確認し、必要に応じて従業員に自宅待機や早めの帰宅を指示します。また、浸水害のリスクがある場合は土嚢の用意や車両の避難場所の確認、防災用品の確認を行います。
  • 警戒レベル1(災害への心構え):最新の情報に基づき、従業員に対して災害発生の可能性を周知し、備えを始めます。この段階では、特別な行動は必要ありませんが、次のレベルに備える心構えを促します。
  • 警戒レベル2(避難経路の確認):情報収集と共有を継続し、従業員の帰宅や出勤タイミングの検討を行います。また、警戒レベル3移行時に実施することを確認します。
  • 警戒レベル3(高齢者等の避難):高齢者や妊婦など避難に時間を要する従業員がいる場合は、この段階で避難を開始します。通常業務を一時停止し、安全確保を最優先とします。
  • 警戒レベル4(全員避難):全従業員が避難を開始します。この段階では、業務の停止が決定的となり、安全な場所への避難が最優先されます。
  • 警戒レベル5(災害発生):既に災害が発生している場合、命を守るための最善の行動を取る段階です。企業は従業員の安否確認と救援活動に集中します。
引用:『段階的に発表される防災気象情報と対応する行動』気象庁

中小企業が取るべき具体的な対策と行動計画

災害が発生した際に中小企業が取るべき具体的な対策は、あらかじめ設定されたタイムラインに従って行われます。設備の保護、従業員の安全確保、そして事業継続のためのバックアップ体制の確立が主なポイントです。さらに、災害発生後の早期復旧に向けた計画も重要であり、これにより企業は迅速に通常業務を再開することが可能になります。

タイムラインを継続的に見直し、更新する重要性

作成したタイムラインは、環境の変化や新たなリスクに応じて継続的に見直し、更新することが必要です。定期的な訓練と見直しを行うことで、タイムラインの効果を最大化し、実際の災害時に即応できる体制を整えることができます。一度作って終わりではなく、継続的な改善が求められます。タイムラインを作成し、常にアップデートすることで、企業の従業員の安全と事業継続を確保しましょう。

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